どうもこんにちは。僕は今春まで子供教室の生徒で、今回初めて満貫全席に参加しました。決勝戦のリポートを任されたのは、もちろん決勝に残れなかったからです。誰も知りたくないとは思いますが、36人中34位、なんとかトータルビリを回避できたのだけが救いですね。まあ出場権の獲得方法が月間ランキング入賞ではなく「五連勝達成」でしたから、そのぶん負けたと思えばチャラ。
さて、今年度からシステムが一部変わり、東日本での年間4期の優勝者4名と他の地区(西日本ほか) の代表選手4名、計8名にて年間タイトルを争うとのことです。
前置きが長くなりましたが、第30期を迎えたニューロン選抜大会・満貫全席はニューロン池袋にて36名で開催されました。
予選4回戦を勝ち抜き、決勝を戦う選手は次の四名。
予選からのポイント持ち越しなしの一発勝負なので、点差を考える必要はありません。純粋にトップ縛りの決勝戦、いざ開幕。
たくさんのギャラリーに見守られる中、最初に動いたのは東家竹内。 7巡目・8巡目にチーして、晒されたのは(7)(8)(9)と六四五。中麻なら花龍を筆頭に様々な手役が浮かぶが、日麻では三色/一通/飜牌しかありえない。そのまま淡々と場は進み、ツモの声を上げたのは15巡目、北家の松下。断幺のみのノベタンを慎重にダマに構えており、500-1000の和了り。
前局に引き続き、最初に仕掛けたのは親の根本。6巡目に(4)をポン。トップ縛りというだけあって、親番に和了っての連荘は非常に大事だからだろうか。すると8巡目に北家竹内が、同巡に南家安田が、立て続けにリーチ。竹内が西家松下からロン、リーチのみの1300点と、小場で進行。
南家松下が(6)(7)(8)をチー、五をポン。喰いタンと思しき仕掛け。直後の9巡目、親の安田に聴牌が入る。ドラ1枚かつ親なので、中張牌双ポン待ちでもノータイムで即リーを打った。捌きにいった西家竹内は(2)(3)(4)をチー。しかしこれが仇となり、その打牌で放銃。裏が乗って12000となり、状況が大きく変わった。
東3局連荘 ドラ白
飜牌がなかなか出ないからか、場が重くなる。 10巡目に南家松下が、七対子のリーチ。実はだいぶ前から聴牌はしていたが、一盃口形・飜牌対子2組・両面対子という手で手変わりを待っていたのだ。飜牌をスルーして、の形で待つ。 三は山にいるかと思われたが、一発ツモはなし。そこで動いたのが北家の根本。(2)をポンしたかと思うと、次に(4)(5)(6)をチー。流局寸前に松下が(1)をつかんで放銃。清一色の8000点。ギャラリーの歓声がもれた。
2巡目、根本が自風の西をポン。親の松下も負けじと九を叩くが、あっという間に根本がロン。 1000点ではあるが、トップ目安田からの直撃で折り返す。
竹内14300点・根本34500点・安田34500点・松下16700点
トップが同点であるのは注目に値するが、下との点差もまだ大きくない。
優勝には連荘が必須と思われる竹内が、3巡目に東を叩く。この局も速い展開となった。根本がポン、根本がチー、竹内がポンと鳴き合戦。手牌を倒したのは根本、1000点の和了りで微差ながら単独トップに立つ。なお、私のシミュレーションによると、この1000点の価値は優勝確率にして6%ほどだ。
南2局 ドラ(2)
軽い仕掛けで根本がツモ、500オールで連荘とする。2着が近いだけに、親を流すかどうかの判断が非常に難しいところだ。4連続で根本が軽く仕掛けるが、北家竹内も中を叩いて抵抗を試みる。すると9巡目、聴牌したのは南家の安田。平和ドラ1をダマにする理由はどこにもないので即リーチ。ここで竹内が一発でつかんでしまう。裏は1枚のみで8000点が移動。
安田は先ほどの根本と同じ難しい状況になる。 2人の点差は先ほどと大きく変わらないが、局を流すことの利益はより大きい。しかしそこで和了るのが根本であれば、致命的なミスになってしまう。緊張が高まる中、やはり親が動く。 11巡目にチーが入ると、今度は南家松下が断幺ドラ1のリーチ。2発目にツモって2000/4000を手にし、オーラスの連荘へ望みをつないだ。
泣いても笑ってもこれが最後、オーラス開始時の条件を確認しよう。まず、トップに立っているのは安田。もちろん和了れば終了だ。しかし決勝という性質上、みなトップしか目指していない。つまり、自力で和了らなければ優勝は決まらない。二番手は2000点差の根本。むしろ心理的に楽なのではないだろうか。2600や500/1000 はもちろん、2000点で並んでも席順頭ハネで優勝となる。三番手で親の松下はトップと14800点差。離れているように見えて、4000オールを引くか18000で大逆転だ。四番手の竹内は役満ツモ条件。
安田の手がいい。
[1][2]二三四五六八八八(1)(2)(3)
と、喰い三色・平和などが見えた手である。この絶好1向聴に、8巡目にツモってきたのは五。ドラ待ちになるのは仕方ないにしても、リーチを打たなければ役がない。一向聴に戻しても手変わりも狭いので、渋々のリーチ。和了ったのは根本、安田から平和ドラ1の2000点で再々々逆転。
根本育夫選手の3度目の勝利で幕を閉じた。