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2008年04月27日第30期 満貫全席

決勝戦レポート

子供教室OB

どうもこんにちは。僕は今春まで子供教室の生徒で、今回初めて満貫全席に参加しました。決勝戦のリポートを任されたのは、もちろん決勝に残れなかったからです。誰も知りたくないとは思いますが、36人中34位、なんとかトータルビリを回避できたのだけが救いですね。まあ出場権の獲得方法が月間ランキング入賞ではなく「五連勝達成」でしたから、そのぶん負けたと思えばチャラ。

さて、今年度からシステムが一部変わり、東日本での年間4期の優勝者4名と他の地区(西日本ほか) の代表選手4名、計8名にて年間タイトルを争うとのことです。

前置きが長くなりましたが、第30期を迎えたニューロン選抜大会・満貫全席はニューロン池袋にて36名で開催されました。

予選4回戦を勝ち抜き、決勝を戦う選手は次の四名。

1位通過・東家
竹内一史(池袋校・千葉大学・出場3回目)
2位通過・南家
根本育夫(国際公式ルール講座・世界選手権2002日本代表・出場4回目・優勝2回)
3位通過・西家
安田允昌(町田校・出場5回目)
4位通過・北家
松下晋(蒲田校・慶応大学・出場6回目・優勝1回)

予選からのポイント持ち越しなしの一発勝負なので、点差を考える必要はありません。純粋にトップ縛りの決勝戦、いざ開幕。

東1局 ドラ[1]

たくさんのギャラリーに見守られる中、最初に動いたのは東家竹内。 7巡目・8巡目にチーして、晒されたのは(7)(8)(9)と六四五。中麻なら花龍を筆頭に様々な手役が浮かぶが、日麻では三色/一通/飜牌しかありえない。そのまま淡々と場は進み、ツモの声を上げたのは15巡目、北家の松下。断幺のみのノベタンを慎重にダマに構えており、500-1000の和了り。

東2局 ドラ[5]

前局に引き続き、最初に仕掛けたのは親の根本。6巡目に(4)をポン。トップ縛りというだけあって、親番に和了っての連荘は非常に大事だからだろうか。すると8巡目に北家竹内が、同巡に南家安田が、立て続けにリーチ。竹内が西家松下からロン、リーチのみの1300点と、小場で進行。

東3局 ドラ(1)

南家松下が(6)(7)(8)をチー、五をポン。喰いタンと思しき仕掛け。直後の9巡目、親の安田に聴牌が入る。ドラ1枚かつ親なので、中張牌双ポン待ちでもノータイムで即リーを打った。捌きにいった西家竹内は(2)(3)(4)をチー。しかしこれが仇となり、その打牌で放銃。裏が乗って12000となり、状況が大きく変わった。

東3局連荘 ドラ

飜牌がなかなか出ないからか、場が重くなる。 10巡目に南家松下が、七対子のリーチ。実はだいぶ前から聴牌はしていたが、一盃口形・飜牌対子2組・両面対子という手で手変わりを待っていたのだ。飜牌をスルーして、の形で待つ。 は山にいるかと思われたが、一発ツモはなし。そこで動いたのが北家の根本。(2)をポンしたかと思うと、次に(4)(5)(6)をチー。流局寸前に松下が(1)をつかんで放銃。清一色の8000点。ギャラリーの歓声がもれた。

東4局 ドラ

2巡目、根本が自風の西をポン。親の松下も負けじと九を叩くが、あっという間に根本がロン。 1000点ではあるが、トップ目安田からの直撃で折り返す。

南入時点の点数

竹内14300点・根本34500点・安田34500点・松下16700点

トップが同点であるのは注目に値するが、下との点差もまだ大きくない。

南1局 ドラ

優勝には連荘が必須と思われる竹内が、3巡目にを叩く。この局も速い展開となった。根本がポン、根本がチー、竹内がポンと鳴き合戦。手牌を倒したのは根本、1000点の和了りで微差ながら単独トップに立つ。なお、私のシミュレーションによると、この1000点の価値は優勝確率にして6%ほどだ。

南2局 ドラ(2)

軽い仕掛けで根本がツモ、500オールで連荘とする。2着が近いだけに、親を流すかどうかの判断が非常に難しいところだ。4連続で根本が軽く仕掛けるが、北家竹内も中を叩いて抵抗を試みる。すると9巡目、聴牌したのは南家の安田。平和ドラ1をダマにする理由はどこにもないので即リーチ。ここで竹内が一発でつかんでしまう。裏は1枚のみで8000点が移動。

南3局 ドラ(5)

安田は先ほどの根本と同じ難しい状況になる。 2人の点差は先ほどと大きく変わらないが、局を流すことの利益はより大きい。しかしそこで和了るのが根本であれば、致命的なミスになってしまう。緊張が高まる中、やはり親が動く。 11巡目にチーが入ると、今度は南家松下が断幺ドラ1のリーチ。2発目にツモって2000/4000を手にし、オーラスの連荘へ望みをつないだ。

泣いても笑ってもこれが最後、オーラス開始時の条件を確認しよう。まず、トップに立っているのは安田。もちろん和了れば終了だ。しかし決勝という性質上、みなトップしか目指していない。つまり、自力で和了らなければ優勝は決まらない。二番手は2000点差の根本。むしろ心理的に楽なのではないだろうか。2600や500/1000 はもちろん、2000点で並んでも席順頭ハネで優勝となる。三番手で親の松下はトップと14800点差。離れているように見えて、4000オールを引くか18000で大逆転だ。四番手の竹内は役満ツモ条件。

南4局 ドラ[3]

安田の手がいい。

[1][2]二三四五六八八八(1)(2)(3)

と、喰い三色・平和などが見えた手である。この絶好1向聴に、8巡目にツモってきたのは。ドラ待ちになるのは仕方ないにしても、リーチを打たなければ役がない。一向聴に戻しても手変わりも狭いので、渋々のリーチ。和了ったのは根本、安田から平和ドラ1の2000点で再々々逆転。

根本育夫選手の3度目の勝利で幕を閉じた。

主催
ニューロン麻雀スクール池袋校
協賛
ニューロン本部
会場
ニューロン麻雀スクール池袋校
定員
36名(満席)
予選最終ゲームで飛び出した四暗刻単騎。蒲田校選抜の渋田知己さん
予選最終ゲームで飛び出した四暗刻単騎。蒲田校選抜の渋田知己さん
決勝進出者4名 (左上) 竹中一史 (右上) 根本育夫 (左下) 松下晋 (右下) 安田允昌
決勝進出者4名 (左上) 竹中一史 (右上) 根本育夫 (左下) 松下晋 (右下) 安田允昌
決勝の様子 皆の見守る中、打牌の音だけが響く。栄光を掴むのは誰なのか
決勝の様子 皆の見守る中、打牌の音だけが響く。栄光を掴むのは誰なのか
第30期を制したのは根本育夫さん。優勝カップと賞金を手に会心の笑み。決勝で敗れた3名も力を出し切り、すがすがしい表情で称えた。
第30期を制したのは根本育夫さん。優勝カップと賞金を手に会心の笑み。決勝で敗れた3名も力を出し切り、すがすがしい表情で称えた。
個人部門の上位三名。二位の青山澄子さん(右)は昨年の同大会優勝者。
個人部門の上位三名。二位の青山澄子さん(右)は昨年の同大会優勝者。
決勝戦の点棒の動き 接戦の様子が見て取れる
決勝戦の点棒の動き 接戦の様子が見て取れる