2008年06月29日、東京銀座にて毎年恒例の骨髄バンクチャリティー大会を開催しました。
骨髄移植によって命を救われた、当ニューロン西日本統括の山口明大が企画した福祉イベントとして今年で4年目。内容は麻雀大会とチャリティーオークション、そして骨髄バンク体験談。さらに「命の輝き展」と題して、患者やドナーの方々の手紙を展示しました。
当日はあいにくの雨でしたが、プロと一般愛好家、観戦者、さらにテレビ取材も加わり、場内は熱気に包まれました。開会前には、プロとファンによる撮影やサインがあちこちで見られ、他の麻雀大会とはちょっと違う、独特の華やいだ印象です。
さて開会式。全国骨髄バンク推進連絡協議会の前理事長である品川保弘様より、麻雀と骨髄バンクを重ねたユニークな挨拶を頂きました。そしていよいよ大会スタート。皆さん真剣に対局しつつも、局の合間には一言二言、笑いのこぼれる……そんなあたたかな雰囲気です。
各卓にひとりずつ著名なプロや俳優の方々がいるという、豪華でハイレベルな大会を制したのは、埼玉県からお越しの小杉一浩様。優勝発表の瞬間、場内に響く歓喜の雄たけび! 株式会社ブルードラゴングループ様より提供の「wii」と「wii-fit」を両手に満面の笑みでした。
大会途中では、全国骨髄バンク推進連絡協議会理事の大橋一三様と山口明大による、ドナー体験談と骨髄バンク登録制度についての講演&質問タイム。骨髄を提供した側と、された側。双方の立場からでの経験談は、リアルで説得力に満ちていました。
大会後には恒例のチャリティオークション。「大会には参加できないけれど、せめて協力を……」と、当日お越しになれなかった方を含め、プロと著名人の方々からご寄贈いただいた、たくさんの楽しい品々が並んでいます。「プロレスラー蝶野正洋氏のサイン入りTシャツ」「柔道の田村亮子氏と野球の谷佳知氏の結婚式記念ワイン」「女流プロが身につけていた私物!?」等々。山口さんの積極的な進行(煽り) により、3900・5200といった麻雀のアガリ点数で金額がどんどんアップしてゆき、満貫を超える落札も続出。計9点でなんと78,200円もの募金が集まりました。
閉会式では、主幹の二階堂瑠美プロの声が感動で小さく震えていました。そして最後に山口明大の力強いメッセージで今年も幕を閉じました。
大会参加費・オークション・ニューロン加盟校での募金活動で集まった総額336,346円は、全国骨髄バンク推進連絡協議会へ寄付します。麻雀の幅広い人気を地盤に、愛好家とプロの皆様に支えられたチャリティー事業、今後も継続してゆきます。
2008年7月24日(木)四国放送テレビの情報番組「おはよう徳島」にて、主幹の山口明大が生出演する形で、ニューロンおよびイベントについて15分間ほど放送されました。
私にとっての麻雀は唯一の趣味であり、チャリティーは生涯の課題です。しかし果たして麻雀でチャリティーが成立するかどうか、それは大会当日まで私にも分かりませんでした。
一般的に、麻雀は利己的な個人性が色濃い「賭け事」と捉えられることの多い遊戯です。社会への還元性は、お世辞にも高いとは言えません。麻雀愛好家である私でさえ、麻雀を知らない人にその魅力を説くことは骨の折れることであります。本大会に参加することで、自分は何を感じられるのか。そのことを知りたくて、会場に足を運びました。
まず驚いたことは、全体の約20%にあたる参加者がプロの肩書きを持つ麻雀の打ち手だったということです。比較的最近のことですが、ボランティアを通して市井(しせい)との関わりを持つとの理念を掲げ発足した麻雀団体がありました。実情はお寒いかぎりでした。その結果を見て私は、麻雀とボランティアという二項は対極に位置し、融合し得ないと思い込んでいたのです。
しかし私の目に留まったものは、無償で参加することを喜びとし運営に携わるリーグ選手の姿でした。公式戦では無口を通すむきの選手たちまでもが、多くの一般参加者と和やかに言葉を交わし大会の進行のために会場を走り回る光景は私の中にあった何かを流し去ってくれました。
麻雀界には多くの団体が存在しますが、手を取り合いひとつのことを成し遂げたという話は、残念ながらいまだ耳にしません。今回参加したプロが超党派となり社会貢献に向け新たな一歩を踏み出せるのではないか、そのような期待を私は抱きました。彼らの意志の芽をつむぐ場としても年に一度のこのチャリティー大会の意義は大きいと感じました。
もう1つ嬉しかったことは、麻雀大会でありながら、麻雀をまったく知らない人までもが観戦で会場を訪れ、オークションの品を高値で落札するというひとコマでした。こうした一般の方の来場を目の当たりにし、私はニューロンが会を積み重ねてきたことの重みと、今後に向けての大会の広がりを強く感じました。
チャリティーと冠を打つ大会で名だたるプロたちと緊張感溢れる闘牌を経験したことは、私を含む一般の参加者にとって良い思い出になったことでしょう。今大会で私は、3回戦までは3位をキープしながらも4回戦で9位に沈むという苦い思いをしました。次回の大会では、今回のオークションの品以上の逸品を持参し、リベンジを果たしたいと思います。
またこの温かい雰囲気の中で楽しく真剣な麻雀を打ちたい。そんな気持ちで私は会場を後にしました。
品川 保弘(「NPO法人全国骨髄バンク推進連絡協議会」前理事長)かつて麻雀をこよなく愛した者の一人として、参加させていただきました。私が麻雀牌に親しんだのは、もう30年以上も前のこと。当時の雀荘をイメージしながら会場に着いてみると、なんと健康的かつ衛生的なこと。飲酒・喫煙・喫食は厳禁。ゲームが始まってみると、怒号・雄叫び・嬌声、そして卓に叩きつける牌の音など、一切なし。もちろん、現ナマも飛び交わない(笑)。イカサマもない代わりに、情け容赦も、多分、なし。参加者のおよそ25%がプロ・女流プロということで、純粋アマチュアの私にとって、かつて味わったことのない緊張感と華やかさが、会場に充満していました。
30年前と言えば、白血病などの難病は不治の病と言われた時代。しかし今は骨髄バンクができ、非血縁者間の骨髄移植も定着し、患者の救命率は格段に向上しております。医療が変わったように、長い時の流れの中で、麻雀の文化も変わってきたのでしょう。麻雀という言葉の周囲にそこはかとなく漂っていたネガティブなイメージの払拭に奮闘された関係者の、並々ならぬご努力に敬意を表します。そして今回のイベントを企画運営された主宰者、山口氏・二階堂女史のお二人に、心より感謝申し上げたいと思います。
みなさんこんにちは。日本プロ麻雀連盟の二階堂瑠美です。
今年も全力出し切りました。チャリティー麻雀大会。第2回大会から企画・運営に携わっていますが、年々参加者が増えていて、とても嬉しく思っています。
今回は後援団体である全国骨髄バンク推進連絡協議会の協力の下、患者やドナーの方々のお手紙である「命の輝き展」も同時開催し、その内容に胸が熱くなりました。
まだ参加されたことのない人にとって、「チャリティー」という言葉が付いていると、少し敷居が高く感じてしまう方もいると思います。ですが、あまり難しく考えないで「麻雀を楽しむついでに、新しい友達を作ろう! 」くらいの感覚で命のリレーに参加してみてください。次回も参加してくださった方がきっと楽しめるイベントを企画しておきますので、みなさん楽しみにお待ちください。
山口明大(大会企画者・ニューロン西日本統括)四年目を迎えた今回。いろんなことがありました。
大会の数週間前、俳優の柴田光太郎さんから「スポンサーが見つかったよ。」と電話が。麻雀業界とは全く無縁、当然自分とはなんの面識もない薬局系の会社を紹介していただきました。
またマスコミ関係では、私の地元徳島のテレビ局、四国放送さんが取材に来てくれました。地方における「麻雀」は、まだまだダーティーなイメージが強い部分があります。今回の取材を通して少しでも麻雀のイメージアップにつながればと思っています。
大会当日には、元白血病患者の方が選手として参加してくれていました。お互い苦しい闘病生活を送った仲間として「麻雀」というツールを介して出会えた事に感謝しました。さらに、麻雀のルールを知らないので麻雀大会には参加せずにチャリティーオークションのみ参加した人、突如現れ数万円寄付のみして帰った人。今回も本当にたくさんの人に出会えました。人との出会いは、僕の元気の源です。
参加してくださった方々はもちろん、協賛各社、後援団体ならびに当イベントの開催に際しましてご協力してくださった皆様にこの場を借り心よりお礼申し上げます。これからも命のリレーを繋げる活動を続けていくつもりですので、今後もご支援・ご協力を宜しくお願いいたします。
(余談) チャリティー大会の数日後。ある大会参加者から連絡を受けました。「昨日、骨髄バンクに登録してきました。」お礼を言うと「こういう経験(登録) が出来たことを感謝しています。これからも自分が出来ることをやっていきたいと思っています。」自分が直接骨髄を提供することは出来ないけど、大好きな麻雀を通しての恩返し。少し出来たかなと思った一日でした。
池谷雄一(大会主催・ノーレート麻雀ネットワーク ニューロン代表)これまでニューロンでは子供麻雀大会や麻雀合宿、大学麻雀選手権など、様々な賭けない麻雀のイベントを数百回手がけてきました。それぞれの参加者ごとに、楽しみを見出す箇所や視点に違いがあり、主催者側としてもそこに面白味を感じます。
今回のチャリティ大会の面白味は、プロ競技者が一般のアマチュア愛好家と共に、目先の勝ち負けではなく、麻雀というゲームそのものを楽しむ雰囲気にあると思います。それはまるで、企画者である山口明大さんの、麻雀愛好家としての熱くてあたたかい”志”を体現しているかのように。
山口さんの閉会の言葉「健康のありがたさ、麻雀を楽しめる幸せを大切に感じてほしい」そんな思いがいっぱい詰まった、この熱いイベントが末永く続くよう、支えてゆきたいと思います。
様々な形で本大会をご支援くださいました皆様、本当にありがとうございました。
*文中すべて敬称を略させて頂きました。