ニューロンでは骨髄バンクの普及啓蒙を目的としたチャリティ事業を経年的に行っています。これは2001年にニューロン西日本統括の山口明大が白血病を患い、骨髄移植によって一命を取り留めたことがきっかけで始めた事業です。
2009年度は加盟校での募金活動に加えて、全国3地区で計4回のイベントを開催しました。多くの麻雀愛好家の方々や後援企業様からのご参加やご協力をいただき、その成果のひとつとして総額428,339円の募金を集めることができました。
3月には活動5年目にして、主宰山口明大の地元、徳島県での初開催を試みました。東京での開催と比べて困難が予想されましたが、蓋を開けてみれば前夜祭とあわせて満員御礼。レジャー施設でのポスター掲示協力や、地域情報誌での記事掲載、はるか東京からの遠征ゲスト参加など、色々な要素が組み合わさっての成功だったと思います。大会後には地元テレビ局の取材も受けました。
また、活動を継続する意義を強く感じた年でもありました。これまで一参加者だった方が自らイベントを企画・主催することで実現した「チャリティー大会 in 群馬」です。2006年度より東京大会に参加くださっていた高柳真也さんは、いわゆる普通の愛好家でした。しかし、山口明大の熱い想いに触れ「何か自分にもできることを! 」と地元群馬で行動に移してくださったのです(ご本人の感想は下記に記載)。
群馬大会には私も応援に伺いましたが、参加者の皆様からは麻雀大会やオークションを楽しむこと以上に「チャリティ活動に賛同し、自分なりに協力したい」との思いを強く感じました。山口明大の体験談を聴く様子も真剣そのもので、大会後には募金箱にお金をさらに投じてくださる方が大変多く、感動しきりでした。
「継続は力なり」という言葉をかみしめながら、できる範囲で精一杯、山口明大と共に活動をつなげていきたいと思います。イベントにご参加くださる愛好家の皆様、あらゆる面でご支援・ご協賛くださる各団体や企業の皆様、この小さな事業をこれからも見守っていただければ幸いです。今後ともご協力よろしくお願いします。
小さなことからこつこつと……
「山口が病気治った快気祝いも兼ねて麻雀大会でもするか!」という、軽いノリで始まったチャリティー麻雀大会。5年で募金総額が百万円を超えました。参加者からドナー登録してくださった方もいます。麻雀を通して出会える仲間達は毎年増えています。
世の中を変えようとか人助けをしようとか大きな事は考えていません。
5年前の二階堂瑠美プロの一言でした。「骨髄バンクに興味がありました。何か私に出来ることはないですか。」
今年は徳島、群馬、東京での開催でした。きっかけは簡単です。思い、考え、実行すればいいだけです。同じ思いの仲間は居るはずです。最初は小さな輪が少しずつ大きくなっていきます。大きさに限りはありません。私たちの活動が、病気で闘っている仲間たちの力に少しでもなれればと思って活動しています。
当イベントにご協力してくださった皆様方、本当にありがとうございました。これからも輪を広げていきたいと思っていますので今後も変わらぬご協力よろしくお願いいたします。
二階堂瑠美(骨髄バンクサポーター)「今年も来れました」「今年も会えたね」チャリティ麻雀大会に出ると、そんな会話を耳にします。
この瞬間もドナーが現れるのを待ち、病気と闘っている人がいることを考えると、特に大きな持病もなく毎日呑気に暮らしていることを申し訳なく思うことがあります。
そんな風に感じるのは、間違っているのかもしれないし失礼に当たるのかもしれないけれど、普段の生活を普通に過ごせることが幸せであるということに気付くことが出来ただけでも少し成長できたのかなと感じています。
自分の力ではどうにも出来ないことで胸を痛めていても仕方ないから、自分に出来ることをやるしかないと考えるようになりました。
人には役割というものがあり、それを理解して受け入れて努力をするのが人生なんだと思います。私には、誰かを助ける力なんて無いと思っていました。5年前、自分でも間接的に骨髄バンクのお手伝いができることを、山口さんが教えてくれました。
骨髄を提供するというダイレクトな方法以外にも、色々な形があるんですよね。「私にも出来るやり方」「私にしか出来ないやり方」を考えながら、今後も骨髄バンクサポーターの肩書きに恥じない活動をしていきたいと思います。
水咲まり(RMU)今回3回目の参加になります。
「骨髄バンクチャリティー麻雀大会?」意表をつかれるこの名の大会・・・。初めて耳にしたときは、どんな事がどんな風に行われるのか全く想像がつきませんでした。それもそのはず。正直その頃の私は、骨髄バンクというものの知識が全くなかったからです。けれど初めて参加したこの大会で、山口さんにお会いして、大会を通して、色々な人の話しを聞くことができて、その時は初めて知るその世界と、それに携わっている人達の熱き思いに、ただただ感動していました。その中で、微力ながら私にも、何か役に立てるのならと思い、今回3回目の参加に至ります。
大会の合間には元白血病患者の方の話や、ドナー経験者のお話などが聞けるのですが、3回目の参加ということもあって、私はその話を何度か耳にしたことがあります。ですが不思議と何回でも真剣に聞き入ることができるのです。何度でも聞きたくなるのは発信者の言葉の一言一言に思いが込められているからなのではないでしょうか。
そしてこの大会に参加して、改めて命の尊さ、人の繋がりを感じました。人は他人の為に存在している。無数にいる見知らぬ人達とも『共感』という絆で結ばれている。『輪』というものは広がって無限の力になる。
骨髄バンクが設立して約20年経つそうですが、骨髄バンクに関する新たな発展もこれから期待できることと思います。新しいことを始めること、何かに挑戦すること、それらは全て簡単なことではないです。中にはソレを不可能だと言う人もいます。
でもきっと、やる気がアルかナイかだけなのではないでしょうか。やってやれないことは無いんじゃないのかと思います。時には努力が実らない時もあるかもしれません。ですが、いくつになっても、いつ、何が起こるかわからない人生ならば、そのわからない人生を、わかったようなつもりで歩むよりも明日に繋がる一歩を踏み出している自分でいたいです。
私は麻雀含め、色々な活動の中で、出会い、学び、伝えていくことができたらいいなと思います。
骨髄バンク、チャリティー、今後の発展に向けて、今後とも何らかの形で参加していけたらと思います。
石井あや(最高位戦日本プロ麻雀協会)こんにちは! 石井あやです。先日初めて、骨髄バンクチャリティ大会に参加できました(^◇^)骨髄バンクってなんとなくは知ってるけど、身近にそれを体験している人や、詳しい話を聞く機会って、実際あまりないですよね。
会場では体験談を聞けたり、質問コーナーもあって、かなり充実した一日を過ごすことができました♪……麻雀はイマイチでしたが……( ;´Д`)
みなさんお疲れさまでした! ありがとうございました☆
高柳真也(群馬大会主宰)私には学生時代に秘かに思いを寄せている女性がいました。その女性とは一友人としての付き合いだったのですが、ある日こんなことを言われたんです。「高柳君って麻雀やらなければいい人なのにね」彼女は麻雀はやったことがないらしいのですが本をよく読む人で、阿佐田哲也氏の「麻雀放浪記」を読んで麻雀は怖いというイメージをもったらしいのです。
当時、授業をさぼって雀荘にいりびたるとか、時間があるといつも友達と卓を囲んでるとか、もちろんそんなことは全然なかったですし、後になって考えると彼女も冗談半分だったとは思うのですが、まだ若かった私は惚れた弱みか、彼女のその言葉で「あっ、麻雀やるって人に言っちゃいけないんだ」と考えるようになりました。
その後、就職し職場の同期と年に二・三度卓を囲むくらいで、私にとって麻雀は数あるたまにやると楽しい軽めのギャンブル程度の存在でした。だんだんと仕事を任されるようになると、卓を囲もうにも人が集まらなくなり、ちょうど同じ頃にインターネットが広まりだしたこともあり、手軽に打てるネット麻雀を打つようになってきます。ネットで繋がっているとはいえ、対局者が見えない麻雀で、私は場の状況をみる行為を一切おこなわず、振り込まないで勝てば今日はついてる、負ければ今日はついてない程度のひどい麻雀を打っていました。
そんな頃とある切っ掛けで、プロ雀士と打つ機会ができました。まだ麻雀に関しての悪いイメージを払拭できていない私は、そんな麻雀を職業としている人はどんな人だろうと、興味があり対局させていただきました。
で、あっさり負けたわけです。負けたのですが、その方の人柄にほれ込み、それ以来、いつかそのプロに勝ちたいという一心で、雀荘のゲストイベントや大会に参加する日々が続き、3年前、蒲田で開催された第二回骨髄バンクチャリティー大会に初めて参加することになりました。今回参加された方にもプロとの対局を楽しみにされていた方は多いかと思います。私も最初の動機はチャリティー精神というよりはそこにありました。
でも参加して驚きました。
後ろめたいことのように感じていた麻雀ですが、チャリティー大会に参加している方にはそんなそぶりは見えず、さらに山口プロ、ニューロンの皆さんにいたっては、世間に広めるために活動しているというのです。麻雀で社会貢献。まったく結びつかないと思っていた事に本気で取り組んでいる人たちをみて、自分のなかで少しずつトラウマが癒されていきました。
「あっ、麻雀やってるってことは隠さなくていいんだな。」
それからはますます積極的に大会等に参加し、人見知りな私ですが麻雀を通して多くの友人もできました。今回も何人か一緒に参加してくれました。麻雀をやっていることを隠していたころからすれば、考えられませんでした。
人のつながり、めぐり合わせというのは不思議なものです。私は昨年転職して、群馬にある健康麻雀荘で働き始めました。その店は私の元の勤め先の先輩が始めたのですが、おかしなもので、その先輩とは元の勤め先でいっしょに仕事をしたことはありませんでした。小さな店ですが、その店があるおかげで、私は群馬で賭けなくても麻雀は楽しいものだということを人に勧めることができます。残念ながらお給料は前の会社にくらべて寂しい限りですが、自分の好きなことを仕事にできて、大変だけど充実した日々を送っています。
この夏に会議で、なにか企画がないかと相談されたときに、真っ先にこの「チャリティー大会」が思い浮かびました。正式に勤めると決まってから、いつかは開催したいと考えていました。私に真剣に麻雀に取り組む切っ掛けを与えてくれたプロ、そして麻雀を打つことを後ろめたい事と感じなくていいんだと教えてくれたチャリティー大会に協力をしたい。そんな思いから、山口プロ・ニューロンの皆さんのにご協力頂き、10月に群馬での開催にいたりました。
山口プロがこの大会を始めた動機が「自分を支えてくれた麻雀に恩返しがしたい」という事でしたら、私はその大会を始めてくれた「山口プロのお手伝いがしたい」というところです。実際には「山口プロに手伝っていただいた」という感じでしたけど。
おそらく5年前のプロとの出会いがなければ、山口プロとも出会っていなかったわけで、その店で働くことも、ひいては群馬でチャリティー大会を開催することもなかったと思います。こういっためぐり合わせをこれからも大切にしていきたいと思います。
*文中すべて敬称を略させて頂きました。