2015年3月15日、ニューロン麻雀スクール川崎校にて、ニューロン本部主催の全国決勝大会「麻雀天下一武道会2015」が開催されました。
ニューロン全国一位を決めるタイトル戦『麻雀天下一武道会』。会員21000名の頂点を決める戦い。出場者8名は各大会の優勝者・各地域の選抜者と強豪ばかりです。
月間で約3000名が参加する「加盟校ランキング」入賞者による選抜競技会「満貫全席」(参加40-60名) で優勝した選手です。
本部主催イベントの入賞者による「天下一武道会予選」(東日本・西日本) で優勝した選手です。
プロ競技者も多数在籍するスタッフを対象とした競技会で優勝した選手です。
満貫全席優勝 吉村久志さん
満貫全席優勝 簾田信彦さん
満貫全席優勝 笹木丈二さん
満貫全席優勝 安藤靖章さん
西日本・徳島地区代表 山口明大さん
西日本・大阪地区代表 山田正男さん
東日本代表 山谷起さん
スタッフ大会優勝 奥村祐介さん
対局風景
予選は4回戦を行い、上位4名が決勝進出。決勝はポイントの持ち越し無し。よって、多人数の大会等のように大勝することよりも、確実にポイントを稼いでいくことが必要か。
A卓: 山口が大量リード→奥村が親で連荘し逆転。
B卓: 簾田が和了り→放銃→和了り……と積極的に参加。無事に競り勝つ。
A卓: 簾田が東1局大連荘で5万点越え。そのままトップで2連勝。山谷は2連続4着と苦しい展開。
B卓: 流局が多い展開。吉村が微差でリードを保っていたが、山田が最終局に逆転。
A卓: 笹木が着実にリードを広げて、他者のチャンス手を捌き逃げ切る。
B卓: 東場は笹木がリード。南場で山口親満2連発で逆転。
A卓: 1・2位のほぼ勝ち上がり確定ラインにいる山口・簾田と、大トップが必要な安藤・山谷の卓。上位2名が無難に捌き2名が勝ち上がり。
B卓: 3位から6位の者が同卓した熾烈な決勝の椅子争い。3位の笹木は連対ならOK。3・4着時はトップ者次第。4位の吉村はトップor山田より着順が上ならばほぼOK。5位の山田は吉村より2着順上ならばほぼOK。1着順は素点+奥村次第。6位の奥村は4-5万点のトップ+同卓者の着順次第。
奥村が大量リードで迎えたオーラス。奥村は和了れば勝ち上がり。笹木はラス親なので流局時に手を伏せれば勝ち上がり。山田は満貫ツモorハネマン出和了りで勝ち上がり 。吉村はハネマン以上で勝ち上がり。山田がリーチ。吉村がメンチンテンパイ! 和了ったのは……! 奥村。冷静なゲーム運びで勝ち上がりを決めた。
決勝へと駒を進めたのは簾田・山口・笹木・奥村。決勝は普段から慣れ親しんでいる半荘戦ではなく、西場北場もある一荘戦。西場に入る際に席を移動するという国際公式ルールに倣った特殊なシステム。対局時間も100分と長丁場の戦いとなる。
奥村が4巡目に先制カン八リーチ。初めての決勝。雰囲気に呑まれることなく、普段通り打てている様子。親の山口より1300の和了り。
山口が8巡目にメンピンドラ1の[2][5]待ちリーチ。自身の捨牌3巡目に[3]を捨てていること+3者の序盤に[1][1][3]と捨ててあるので[2]が山に残っていそうな場況。[2]をツモり1300・2600の和了り。
山口の配牌にドラの対子+白の対子。3巡目に白ポン→6巡目に三ポンでテンパイ。簾田から3900の和了り。
山口の手順が興味深い。中盤に四五(3)(3)(4)(6)(8)[3][4][5][7][9]北の形から奥村が放った2枚目のドラである三をチー。フーロ率が50%を超えるという山口らしい鳴きである。その後、[5]→[6]とツモりカン(5)のテンパイ。簾田もフーロ・笹木が残り1巡でリーチを敢行! しかし和了りは山口。ツモって500・1000。
ここまで所要時間15分。内容が薄いわけではない。各者が、しっかり和了る手を和了りスピーディーに進行している。
笹木が1巡目に自風の西をポン→3巡目に五三四チー→5巡目に七八九チー! 一見マンズのホンイツに見えるがドラまたぎのソウズ待ちで2000点の和了り。
山口捨牌: (9)東四(8)
奥村捨牌: 発(8)(4)[2]
笹木捨牌: 発[7](4)北
簾田捨牌: (3)(3)(6)[1]
上記捨牌から、この局はピンズが安い。ピンズの活かし方で勝負が決まる可能性が高い。そんな中、山口にチャンス到来。(5)(5)(5)(6)の形で(4)(6)(7)のリーチ。場況的にほぼ鉄板であろうリーチ。そこに笹木が追っかけリーチ。……和了り牌はやはりピンズ! 笹木がツモり三暗刻・(2)[2]のシャンポン待ち。2000・4000。山口にとっては痛い1局か。
山口が5巡目にドラドラのイーシャンテン。笹木・奥村が仕掛ける。10巡目に山口が(1)(4)待ちのリーチを打ち、一発ツモ。2000・4000を和了り返す。
山口が配牌の時点で2メンツ+ドラドラ。対して親の奥村。4巡目にイーシャンテン→7巡目にテンパイ。
ドラ (6)
四四六七八(1)(2)(3)(6)[3][4][5][7][9]
奇しくも東1局と似たような牌姿。今回はドラが(6)ということもあり、打[9]でテンパイ外し。その同巡に放たれる2枚の[8]奥村の心境やいかに。その後、奥村は再度テンパイを入れることなく、笹木にタンピン三色・8000の放銃となった。
なんと、ここまでの経過時間が28分。時間にしたら大した時間ではないが、決勝の重圧を考えると各者疲弊があるか。西入する前に席替え・休憩を挟み決勝戦が再開となる。
現在トップの山口はリードを広げたい。2番手笹木は絶好調の山口に追いすがることができるか。奥村・簾田は後半の追い上げが必須である。
山口が4巡目には2フーロ+捨牌状況を見てもかなり速そう。なんとかリーチで足止めを図りたい。そんな中、笹木にチャンス手が到来!
9巡目・ドラ南
(1)(1)(2)(2)(3)(3)[7][8][9]七八九九南
ドラの南を勝負orチャンタ確定の打九か。ドラの南は山口に和了られてもおかしくない危険牌である。笹木が選んだ打牌は……南切りリーチ。南には誰からも声が掛からず。笹木の判断が功を奏した! 見事九をツモり、裏1の倍満。大きい大きい4000・8000の和了りとなった。
点棒状況が2強となった。奥村・簾田の反撃が期待される。そんな想いが届いたのか、奥村に仕掛けが入る。
ドラ1 [5][4][6] [2][1][3]
ドラ色だけに和了ると高そう。3者が守りに入る中、無事にツモ和了り。役・役・ホンイツ・ドラ1の満貫。2000・4000。
簾田配牌
一五八(4)[5][7]東東東南白発中
苦しい。このゲーム全体を通して、配牌が悪く速度負けが目立つ。この配牌を丁寧にかつ大胆に育てていく。そして迎えた初和了り。
八(4)(5)(6) 東東東 加カン白 白白白 一一一
放銃者は山口。序盤に[5][7]のカンチャン落とし+上記の仕掛け。打った瞬間は肝を冷やしたであろう。初和了りの簾田・放銃した山口両名がホッとする1600の和了り。
この局は派手な空中戦。山口・笹木・簾田が2フーロずつ。激戦を制したのは山口。ホンイツで2000点。
北入。ここまでの経過時間は40分。西場を12分で消化した。ここまで連荘&流局なしが大きな要因か。各者の持ち点は下記の通り。
簾田 3600
山口 33200
奥村 14000
笹木 49200
親は簾田。この親が流れると優勝が難しい。なんとしても連荘していきたいところ。東~西場までの苦戦がウソかのような流れる手順とツモで8巡目にメンピンイーペーコー確定リーチ! しかし、和了り牌が一向にこない。回していた笹木が15巡目に簾田の切っている現物(7)待ちのタンヤオでテンパイ。そこに奥村が打(5)リーチ! 笹木が止まる。
(2)(3)(4)(6)(8)
ピンズがこの形。(5)を鳴けば片和了りだがテンパイを維持しつつ、安全そうな(8)を捨てて、自分のツモ番を回避できる。笹木チー→打(8)→奥村がツモ切りした牌は(7)。鳴きによって流れた牌なので、鳴かなかった場合の展開は不明だ。やはり和了れていたかもしれない。笹木が悔しがる様子が伝わってきた。この局は決着が付かず、初の流局&連荘。
笹木の配牌が良い! 既に3メンツ。3巡目には高目メンタンピンドラの三六九待ちリーチと盤石。和了りは九と安めだったが、裏1で8000。笹木にマジックランプ点燈。
親は山口。ほぼ1対1のこの状況。笹木との差は30000点。この親が流れるとほぼ笹木の優勝が決まってしまう。山口が仕掛けだす。12巡目に三をポン。手出しが東。次巡手出し(9)とかなり苦しそう。そこに優勝を諦めない簾田がリーチ。リャンメンに受けられるところを、敢えてシャンポン待ちに。裏3期待で、少しでも笹木との差を詰めるためであろう。無事に和了れたが裏は乗らず。2600。
親は奥村。ラス親はトップの笹木。よって事実上の最終決戦。笹木は親を流せばほぼ優勝。ここで簾田に2巡目に中ポン→3巡目に白ポン。卓上が凍り付く。もう行くしかない山口が即座に打発!
「ポン!! 」力の入った発声は……奥村。鳴けた奥村、山口笹木もホッとしたであろう。奥村が連荘を夢見るが、役満の可能性がなくなった簾田が2000を和了り、オーラスの望みを繋ぐ。
親が笹木のため実質最終局。各者はこの局で笹木を倒さなければならない。
山口: 倍満直撃・三倍満ツモ・役満出和了り条件
奥村: 役満直撃・ダブル役満条件
簾田: 役満直撃・ダブル役満条件
よほどのことがない限り、逆転はない。よって笹木の優……「カン! 」「リーチ! 」声の主は山口。この状況でリーチ。大楽勝と思っていた笹木に少し焦りの色が見える。山口のリーチは(4)(4)(5)(5)(6)(6)(8)(9)白白 背(2)(2)背 裏ドラ次第では三倍満のリーチ。ツモる手に力が入る! が和了れない。……そっと置いた牌にロンの声。笹木がしっかり捌き2400。
天下一武道会2015。優勝は笹木丈二さん。決め手と捌き手をしっかり使い分けて、安定感のある戦い方で全国1位の座を勝ち取った。
優勝写真は満面の笑み。大会終了後は吉報を蒲田校へ届けるべく移動を開始。その様子は全国チャンピオンの名に相応しいお姿でした。優勝おめでとうございます!
競技審判&観戦記担当 千貫陽祐決勝進出者4名。優勝は蒲田校所属の笹木丈二さん!