ノーレート麻雀ネットワーク ニューロン

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2023年3月17日-4月8日ニューロン子供麻雀教室朝日新聞一面記事・教育連載

朝日新聞にて子供麻雀教室および子供会員5名の記事が計4回に渡って掲載されました。

掲載日
2024年3月17日・19日・20日・4月8日
掲載誌
朝日新聞
見出し
一面記事「麻雀 子どもに人気浸透」教育連載「いま子どもたちは 麻雀、大好き!①②③」
取材協力
ニューロン子供麻雀教室 東京・子供会員&保護者
撮影場所
ニューロン麻雀スクール イトーヨーカドー大井町校
内容
頭脳スポーツ・麻雀教室に行列・小学校のクラブ活動・少女漫画誌の連載と付録/教室に通う子供たちの麻雀との出会い、家庭での様子

記事より関連個所を抜粋

2024年4月8日「麻雀 子どもに人気浸透」『教室に行列 最年少は4歳』

 麻雀(マージャン)のイメージが変わりつつある。幼い子どもたちの間でも「頭脳スポーツ」として人気が広まり、子ども向けの教室はほぼ満席。小学校のクラブ活動にも登場し始めている。

 東京都品川区の麻雀教室。2月の日曜日の午前10時すぎ、入り口には子どもたちの行列ができていた。健全な麻雀の普及活動をする一般社団法人「ニューロン」(東京)が月2回開催している子ども向けの麻雀教室に参加するためだ。

 席は先着順で埋まる。部屋の中いっぱいに並ぶ12卓の全自動麻雀卓は、あっという間に子どもたちで満席になった。

 半数以上が小学生で、中高生や未就学児も参加する。「漢字が読めて座っていられる子」であれば参加可能で最年少は4歳。ルールがあやふやでも、詳しいスタッフが卓に1人配置され、丁寧に教えてもらえる。

 「やった、ロン!」「白(ハク)ポンされたー」「またチーされたよ」いろんな所で麻雀用語が飛び交う。小4の男の子は「戦術を考えるのが楽しい。運も必要なところが麻雀の魅力かな」。

 ニューロンは1997年、社会福祉事業として麻雀教室を始めた。発足翌年から子ども向け教室を定期的に開き、現在は全国13教室で開催。習い事感覚で来ている子どもも多いという。

 麻雀ができる場所といってすぐに浮かぶのが雀荘(じゃんそう)だ。ところが、雀荘は風営法の対象となるため、18歳未満の子どもは立ち入りが禁じられている。ニューロンではカルチャー施設で麻雀教室を開校。子どもでも出入りできる仕組みを作った。

 代表理事の池谷(いけや)雄一さん(51)によると、2010年ごろから子どもの参加者が増加。「ゲームや麻雀を題材にした漫画やアニメを通じ、麻雀に親しんでいったのだろう」と分析する。競技麻雀のプロリーグ「Mリーグ」が発足した18年ごろにも、さらに参加者が増えた。「頭脳スポーツ」として子どもたちの間で人気が広まるきっかけになったとみる。今は児童館やカルチャーセンターで期間限定の教室を開くこともある。

 麻雀は年齢を問わず楽しめるのもよさの一つ。池谷さんは、小学生と80代、90代が麻雀を通じてあっという間に仲良くなるのを何度も見た。

 「ほどよい距離感でつながれるコミュニケーションツールとして、世代を問わない趣味や頭脳スポーツとして、楽しむ人が増えるといい」


2024年3月17日「いま子どもたちは 麻雀、大好き!①」『ツモ!考えるの楽しい』

 「あっ、ツモ。やったー、200点差でお母ちゃんにも勝った!」平日の午後9時前。神奈川県大和市の小学3年、小松穂乃香さん(9)は、自宅で雀卓(じゃんたく)を囲みながらパジャマ姿で喜んでいた。母美穂さん(37)と小学1年の妹紗瑛さん(7)と、寝る前に麻雀(マージャン)をするのが、ここ最近の日課だ。

 午後9時にはやめる約束のため、学童から帰ると急いで宿題を片付ける。夕飯を食べてお風呂に入り、後は寝るだけの状態になったら、1時間ほどの麻雀タイム!

 以前から、家には麻雀の牌(パイ)があった。美穂さんが麻雀教室で教えているためだ。自分では覚えていないが、3歳ごろから牌に触ったり並べたりして遊んでいた。

 6歳ごろ、女子高校生が競技麻雀に挑む漫画「咲―Saki―」にはまった。次第に自分でもやってみたくなった。「教えて」と自ら美穂さんに尋ね、やりながら少しずつ複雑なルールを覚えていった。今ではあがる条件となる牌の組み合わせ「役(やく)」もほとんど覚え、得点も計算できる。

 今年に入り、女子高校生が麻雀を楽しむアニメ「ぽんのみち」が始まり、麻雀熱がより高まった。1年近く足が遠ざかっていた月2回の麻雀教室にも、今は行くのが待ち遠しくてたまらない。

 学校の図工の授業では、自分の将来をテーマに、麻雀を誰かに教えている絵を描いた。「看護師になりたいんだけど、麻雀の先生もしたい」

 「今1番好きなのは麻雀」と即答する。どこがそんなにおもしろいのか。「ルールを覚えるのは大変だけど、あがるとうれしい。相手の捨て牌を見て、どんな役を作っているのかを考え、自分がどう組み立てるかを考えるのがおもしろい」

 妹の紗瑛さんも麻雀が大好きだ。「楽しいから、ずっとやってても疲れないんだよ」

 穂乃香さんがやっているのを見て「楽しそう」と4歳ごろに興味を持った。役はまだうろ覚え。でも、牌の柄をそろえるのが楽しくて、気づけば「四暗刻(スーアンコー)」「大三元(ダイサンゲン)」といった高得点の役で勝つことも。そんな時は、記念に写真を撮るほどうれしい。

 母の美穂さんは「麻雀が夜のだんらんタイムになっている。頭脳スポーツなので、勉強にも生きるんじゃないかなと期待しちゃいます」

 姉妹は今月、初めて大会に出る。穂乃香さんは漫画を読み込んで役の作り方を勉強し、他の人があがった時の役の確認も忘れない。難しい役をそろえるだけでなく、簡単な役を早く組み立てる練習もしている。「強くなって、とにかく勝ちたい。1位がとれたらいいな」


2024年3月19日「いま子どもたちは 麻雀、大好き!②」『牌も作っちゃった 今では教室通い』

 よく分からない模様が描かれた小さな四角いものが1列に並ぶ。真剣な表情で大人たちがそれを見つめ、素早く手元で動かす。格好はさながらスポーツ選手のよう。

 「何これ、かっこいい」川崎市の小学1年、神崎蓮太朗さん(7)は保育園年長のころ、テレビに映った、麻雀(マージャン)のプロリーグ「Mリーグ」に一瞬で心を奪われた。「『ツモ』とか、使っている言葉もおもしろい」

 父親は麻雀のルールを知らず、母親もおおまかに知っている程度。一緒にMリーグを見て解説を聞き、分からない言葉は母親に説明してもらった。複雑なルールを理解するのには、1カ月以上かかった。でも、「難しいからこそ、分かるとよりおもしろい」。

 麻雀を自分でもやってみたかったが、家に牌(パイ)はない。工作が得意だったので、「自分で作っちゃおう」と考えた。

 画用紙を切って、見よう見まねで色鉛筆で模様を描く。保育園から帰ると、夕飯までの間にコツコツ作り、気づけば「中(チュン)」が10個も。並べてたくさん遊んだ牌は色が薄れてボロボロになったが、大事にとってある。今は祖父からもらった牌をテーブルで使う。雀卓がある家が憧れだ。

 1年前から、子ども向け麻雀教室に月2回通う。両親にせがんで探してもらった。家ではスマホでAI(人工知能)相手に麻雀を打つ。「僕が先生で、パパとママに教えたんだよ」。休日は母親とも麻雀を楽しめるようになった。

 水泳やサッカーなど、色々な習い事をしているが、一番好きなのは麻雀。「次に引く牌が分からないところが楽しい。ルールが複雑だからこそ、あがった時のうれしさがものすごいんだ」

 特に珍しい役で勝てた時は格別だ。難易度が高く高得点の「倍満」で初めてあがった時は、父親と喜び、お菓子でお祝いした。「『三倍満』であがったこともあるんだけど、その時はめーっちゃくっちゃ、うれしかった!」


2024年3月20日「いま子どもたちは 麻雀、大好き!②」『きっかけはコロナ禍 家族の趣味に』

 椅子に座ると、まだ床につかない足をぶらぶらさせながら、小さい手で牌(パイ)をつかむ。「やっぱ、メンゼンで攻めないとね」「あー、リーチ来たら終わるわぁ」

 横浜市の小学1年、石井結(ゆい)さん(7)は、友達としゃべりながら麻雀(マージャン)を打つのが好きだ。卓はとにかくにぎやか。月2回の子ども向け麻雀教室に1年前から欠かさず通い、午前10時半から午後3時まで没頭する。「めっちゃ楽しいからいくらでもできる。休憩もいらないくらい」

 麻雀との出会いは、コロナ禍がきっかけだ。4年前の春、全国の学校で臨時休校が相次ぎ、石井さんの幼稚園もお休みに。家時間を持て余すなか、自営業の父親と子ども向け麻雀おもちゃで遊ぶようになった。毎日2、3時間、飽きずに遊ぶ姿を見て、父が本格的な麻雀セットを購入。すぐにルールを覚えた。

 頭の中は常に麻雀でいっぱいだ。Mリーグは真剣に見る。最近は、麻雀好きの友達と一緒に登校するときに「空想麻雀」でも盛り上がる。「この手ならどう打つ?」。話しているとあっという間に学校に。楽しいからと麻雀教室にも誘い込んだ。「強い子とやって、もっと強くなりたいな」

 東京都新宿区の小学5年、川尻珠実礼(すみれ)さん(11)もコロナ禍に麻雀を始めた一人だ。姉2人と家にこもる中、父親が4人そろってできるからと麻雀を教えてくれた。こたつにマットを敷いてやるうちに、共通の趣味になった。

 はじめはルールも全然分からなかったが、「牌の形や色合い、模様がきれいだなと思った」。あがる条件となる牌の組み合わせ「役」がたくさんあり、それぞれ戦略の立て方にクセがあるのもおもしろい。

 好きな役は「七対子(チートイツ)」。同じ柄のペアを7組そろえるものだ。「きれいな形であがると気分がいい」。家族には手の内がばれてしまっているが、それでもやっぱり「きれいな役をそろえたくなっちゃう」。