日本経済新聞社「日経xwoman」にて、1997年よりニューロン子供麻雀教室を主宰している池谷雄一代表理事と、同子供教室にてIQ調査を行い学術論文を公開した脳神経外科医の東島威史さんのコメントが紹介されました
★記事のうち、コメント部分を引用してご紹介します。
「小学生の間でマージャンブームが起きている背景は」池谷代表理事コメント部分
「ニューロンが子どものためにマージャン教室を設けたのは1997年。当時はやんちゃな中高生男子ばかりでしたが、2000年代後半に女子高生が主人公のマージャン漫画『咲-Saki-』(スクウェア・エニックス)が人気になると、一気に女子が増え、未就学児や小学校低学年の子も参加するようになりました。今までの最年少は4歳です。20年代はMリーグや少女漫画『ぽんのみち』の人気もあり、『親子で大会に参加したい』『好きなプロ雀士みたいに上手になりたい』と言って習いに来る親子も増えています」
「とっかかりは簡易版のマージャンゲームでもいいと思いますが、やはり本当のマージャンのほうが役も複雑で、面白い。マージャンは4人で対局して、時間もかかる重たいゲームですが、『重ゲー』の魅力にはまる子が増えていますね」
「教室に通っていた生徒の中には東大でマージャンサークルを設立してニューロンの運営に協力してくれた子や、5歳で複雑な点数計算をマスターした子、ニューロンでの講師活動によって大学の総合型選抜入試に合格した子もいます」
池谷さんは「マージャン教室はデジタル世代の子どもたちがリアルな体験をできる貴重な場所」と言います。
「マージャンは真剣勝負ですから、喜怒哀楽もストレスもダイレクトに感じます。勝てないときに『なんで上がれないんだよ!』と顔を真っ赤にして、じだんだを踏んで悔しがる子もいますが、『じゃあ負けたままでいいの?』と聞くと、じーっと考え込んで、また打ち始めます。オンラインゲーム上の友達は、気に入らなければリセットできますが、対面競技であるマージャンはそうもいかない。理不尽極まりない中で耐える、でも、それすら楽しいという状況なのだと思います」
「小学生の間でマージャンブームが起きている背景は」子供会員の保護者コメント部分
他にも実際に子どもを教室に参加させた親からは「良い影響ばかりです。自立心と自律心が同時に育っていますし、マージャンで大人たちに勝てるようになって自信がついてきました。学校でも以前は引っ込み思案でしたが、今はクラスのまとめ役に立候補したり、手を挙げて発言したりすることが増えました」「(思い通りに勝てないマージャンをすることで)自分で考えた計画通りにいかなくても、切り替えて次に進むのがスムーズになりました」といった声も寄せられているそうです。
「1年間、マージャンを続けた子どもたちのIQに変化が」東島威史医師コメント部分
「実は言語理解は座学よりも生きたコミュニケーションで伸びるといわれています。その点、マージャンはさまざまな年齢層の他者とコミュニケーションを取りますから、上昇したと考えられます。また、処理速度は集中力の向上に加えて、目で情報をつかみ、手と思考を連動していく過程で強化されたと考えられます」
「マージャンは運の要素も大きいため、知識と経験だけでは勝てないのです。そのため異なるレベルの者同士が楽しめ、小学生と大人、初心者とプロが真剣勝負できるのがマージャンであり、そういったコミュニケーションツールとしての有用さが言語能力の向上に役立ったと考えています」
「不完全情報ゲームであるマージャンでは、常に相手がどんな牌を持っているのか、どんな役で上がろうとしているのか、想像力を働かせないと勝てません。この過程が情報処理を非常に複雑にします。事実、チェスのAI(人工知能)が人間を超えたのが1997年であるのに対して、麻雀のAIが人間に追いついたのはつい最近のことです。実は、私たちが生きている社会も多人数参加型の不完全情報ゲームそのもの。複雑で先が読めない社会で、最適な正解を見つけるのは非常に難解です。多人数参加型の不完全情報ゲームそのものである社会を生き抜く力も鍛えられると感じています」